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片方だけの言い分を聞いて判決してはいけない。原告と被告の両方の言い分を聞いて、公平に判定を下さねばならないということ。
――即チ毎月十二円又ハ二十円ヲ払込メバ一年後ニハ「泰平郷」分譲地域内ノ欲スル場所ニ於テ、九坪乃至十五坪ノ平家木造建一棟ヲ仮ニ所有スルコトガ出来、爾後十年間払込ヲ継続シサヘスレバ、既ニ十分利用シツヽアル該家屋卜共ニ、敷地百坪乃至二百坪トヲ併セテ、ソノ完全ナ法的名義人トナリ得ル。換言スレバ、諸君ハ知ラズ識ラズコヽニ永代不滅ノ資産ヲ確立スルコトヽナルノデアル。
我等ハ敢テ云フ、諸君ハマサニ自己ノ能力ヲ過少評価スルノ愚ヲ覚ルベキ秋デアルト。
ナホ数字ニ関スル詳細ハ本社又ハ現地事務所ニツイテ問ヒ合サレタク、毎年三月下旬ヨリ十月下旬マデ、旅費二三等何レモ片道本社負担ニテ現地御案内ノ準備ガデキテヰル。
抑モコノ「泰平郷」ナル土地ハ……
読んでゐる後ろから、
「斎木さん、専務がお呼びです」
と、給仕の声である。
彼女は直接専務に呼ばれるといふことが、なんか人違ひのやうな気がして、そつと重役室の扉を叩いた。
「あゝ、まあこつちへ……。どうです、ちつたあ調子が呑み込めましたか?」
専務の高野は、自分で椅子をひとつ引寄せ、それへ彼女をかけさせた。
「いゝえ、さつぱり呑み込めないで困つてをりますわ」
「ふむ、そいつはこつちの方が困つたな。もう三週目でせう? どういふところが呑み込めんの、いつたい?」
「ほんとと嘘との境がどうもはつきり……」
と、彼女は、神妙に首をうなだれた。 彼女の出かたが
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